今日は「読み書き相談室 ココロ」を紹介します.
ココロは東京大学先端科学技術研究センターの河野先生,平林先生が ディスレクシア(読み書き障害)を持つ方(主に子供)を対象に行っている, 書きと読みの困難さを最新テクノロジーによって軽減するための相談を行っている 取り組みです.
河野先生は石川県の特別支援学校での先生もなさっています. ご自身でも国語などを生徒に教えていらっしゃるそうです. そこでの具体的な経験があるからこそでしょう,先生の助言は具体的で実戦的です. また,検査の報告はその日のうちに頂けるほど,仕事の速い方です.見習わねば. 現在では主に石川県で活動なさっているようで,あまり東京にはいらっしゃらないようですが, その分,平林先生ががんばってくださってます.
私達も時々生徒さんの付き添いでココロを訪れております. そこで,具体的な支援方法を助言いただいております. また,それ以外でも,おりおりにディスレクシアについて両先生の助言を頂いております. ディスレクシアをもつ生徒さんがその問題について在籍学校と交渉をする際にも, ココロは強力な助っ人です. 特に,センター試験の時間延長措置を勝ち取るためには,在籍学校との交渉が必須ですが, それに臨む際にも心強い味方になってもらえます. センター試験の時間延長措置については別の記事に書きたいと思います.
以下,ココロの概略です.
相談回数は全5回.必要に応じて6回目に再検査などをする. 全体の流れは以下の通り:
第1回面接及び検査 第2回検査 第3回指導開始 第4回指導 1ヶ月後 第5回指導終了2ヶ月後
「指導」とあるのは, 読み書きが楽になる可能性のあるツール(主にIT技術を用いたもの)を紹介し, その使用法を教えることである. 数回にわたる相談によって複数の方策を試行錯誤し,最適な支援方法を探る.
紹介するテクノロジーとしては,
などがある.
検査では発達検査とディスレクシア検査の2つを行う. 既に発達検査を受けているのであれば省略する.
ディスレクシア検査では 音韻操作能力(日本語)と画像処理能力を小学生の母集団と比較する. 英語の検査はしていないが,英語学習方法の相談はできる.
検査は無料.ただし研究のためにデータを使わせてもらいたいとのこと. もちろん,その際に個人情報は捨象した形で用いられる.
検査の比較対象が小学生なので,基本的に小学生が対象である. しかし,それ以上の年齢でもかまわない.成人も可.
以上です.